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ふにゃふにゃふにゃふにゃ……

「スノー・ロワイヤル」感想

 「スノー・ロワイヤル」、去年あたりからずっと気になってた映画なのだが、なんとなく見てなかったのをようやく見た。めっちゃ面白かった。ここ最近見た映画の中で出色の出来だったと思う。
 あらすじを簡単に説明すると、息子を殺された男の復讐譚っていうめちゃくちゃシンプルな話なんだけど、全編通してのシニカルなユーモア、特に「気まずさ」と「非予定調和」にフォーカスを置いたセンスはかなり独特でかなり面白かった。
 「気まずさ」の可笑しみについて、文面で説明するのはちょっと難しいので割愛するが、「非予定調和」の方をは幾つか説明しやすい具体的なシーンが思い浮かぶ。私のお気に入りは、凄惨な遺体を目の当たりにした警察官達のシーンで、この映画ではベテランの方が嘔吐して新入りが口を拭く紙を差し出す(しかも、この新入りは退屈な町に飽き飽きしていたので露骨に楽しそうにしている)。「スノー・ロワイヤル」では万事がこの調子で進む。
 あと、中盤あたり、インディアンのギャングが復讐のため街に繰り出してくる→ホテルに泊まってスキー場のチケットをサービスで貰う→みんなでスキーに行く、の流れもかなり好き。チケットを受け取った時、渋い表情だったギャングのボスが一番はしゃいでいたのも印象的で、観る側としては「この可憐なおじさん達も殆ど死ぬんだろうな……」と可笑しみだけではない、ほろ苦い感慨や、残酷な期待を抱かされたように思う(あるいは残酷な期待を自覚したのかもしれない)。
 ところで、スキー場の下りで印象的なセリフが一つあって、インディアンの一人がパラセールみたいなのに挑戦する時(復讐のために町に出て来たのにパラセールみたいなのに挑戦しないで)、「俺は飛ぶために生まれてきた!」って叫ぶんですがめちゃくちゃ良くないですか? 私も「俺は飛ぶために生まれてきた!」って叫んでみたい……